平成27年度 ハンズオン支援事例集(専門家派遣制度)
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14産業用素材分野で「地域ナンバーワン商社」になる戦略実行、そして新事業で「ものづくり商社」に挑戦く影響する。 第2の工夫はプロジェクトメンバー全員が同一テーマについて議論し経営計画を立案していくことであった。経営計画策定に当たって用いたのが「経営計画作成シート」である。本シートは、経営計画策定に必要なステップ毎に各検討項目(外部環境分析、自社経営資源分析、経営ビジョン、全社戦略、経営戦略、事業戦略、組織戦略、経営課題と解決策、経営目標、利益計画、資金計画等)が網羅されたものである。このおかげで、各支店・営業所が同じ作成ステップを踏め、実行性の高い経営計画の作成が進行した。更に、各部署が進捗を競うようになり、各部署間で議論も活発化し、より地域の強みが反映された経営計画ができつつあった。 これにより、当初は、プロジェクトメンバー全員で経営計画を策定することに戸惑い気味であったが、次第に自主的に立案する喜びが芽生え、メンバー全員がより責任感をもって積極的に議論を行うようになっていった。 そして、現状分析フェーズを終了し方向性を決めるフェーズにおいて、各部署(支店・営業所)の経営計画に、全社としての方向性・戦略とがリンクされない懸念が浮上した。そこで、これを解決する為に、部門別事業計画も同時に立案し、この計画と各支店・営業所の計画との整合性をとることに取り組み、さらにはその過程から“「地域NO1サプライヤー」を目指す”という目標も出来た。 中間層を中心とする経営計画は、初めての作成だったが、自分達で策定した経営計画は自分達で達成していくという支援前にはなかった意識改革も伴った支援であった。さらに、経営計画実行においても、この意識改革と社内会議方式の見直しによって、更に実行力が高まったと考える。 また、新規事業に関しては、防災分野への進出準備を行っていた。具体的には金属材料商社の強みを活かせる防護ネット用金具、並びに海外から素材を購入し自社にて施工を行う防災用途に用いるポリウレアコートを中心とする事業を展開する計画であったが、いずれの分野も新たにもの作りに挑戦するもので、当社のみでの推進は難しく経営実務支援事業にて支援を行うことにした。<経営実務支援事業①>(平成26年11月〜平成27年3月)支援テーマ:特許等の知的財産権に係る社内管理規定の整備・構築 当社は長年商社として事業を行ってきたことから知的財産の保護・育成に関しては余り注力する必要がなかった。しかし、自社製品として製造販売を行う「ものづくり商社」としての機能を取り入れた新規事業の開拓には、知的財産権に関する知識を習得し、製品開発・販売に関する知的財産戦略、並びに自社の知的財産の保護、育成を図ることが大変重要であることに前述の経営計画作りの議論の中で気がついた。専門家継続派遣事業の終了後、知的財産に関する支援の依頼があった。 そこで、⑴知的財産に関する基礎知識の習得、⑵当社の新規事業を開拓する上で必要となる知的財産戦略策定、⑶必要な知的財産管理規定の抽出・策定、⑷知的財産権の創出(奨励)と職務発明に係る社内規定の構築を主な支援テーマとして支援を行うこととし、プロジェクトは、経営陣並びに新規事業に関わる新規事業部責任者、新事業推進部責任者を中心に支援プロジェクトに熱心に取り組んだ。 その結果、知的財産に係る必要な知識の習得と、当社新事業関連に関する今後の知的財産に係る基本的な方針、保護・育成制度・手続き、職務発明規定・手続き等必要と思われる知的財産に係る社内制度の基盤が出来上がった。今まで知的財産部門は無く必要に応じ天野 俊基 関東本部 プロジェクトマネージャー創業から400年以上の長きに渡る商社活動によって培われた信頼を武器に、上手く当機構の支援を活用し、「ものづくり商社」という新たな経営目標実現に向け着実に歩み出している。

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