平成30年度版 中小企業事業経営者のための事業承継対策
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− 41 −Copyright ©2018 SMRJ All rights reserved【現状】長男Bさんが後継者候補とみられていましたが、A社の株式はBさん以外の兄弟等にも分散していました。会長Aさんが引き続き数十%を保有していることから、会長Aさんが保有する株式の動向が経営権に影響を与えかねないことを経営幹部も心配していました。会長Aさんは90歳代と高齢ですが健康であり、当該株式の取り扱いについて会長Aさんに進言する機会もなく、関係者は不安を抱えつつ見守っていました。【経営承継円滑化法を検討してみたらどうだろうか】(顧問税理士・公認会計士からのアドバイス)A社は業歴も長く、健全経営を続けてきたことから、自社株式評価も高く、将来の相続発生時の納税負担についても心配な状況にありました。中小企業経営承継円滑化法の施行に伴い、顧問税理士・公認会計士は、この法律の活用が良いのではと考え、社長Bさんならびに経営幹部と相談して、この法律の「相続税の納税猶予制度」について会長Aさんに説明し、活用を検討することを勧めました。【よし、早速検討してみよう】~まさしく当社のような会社を対象とした法律じゃないか。早速検討してみよう~「相続税の納税猶予制度」についての概要説明資料を会長Aさんにお見せし、制度の内容について説明を行ったところ、「この法律はまさしく当社のような会社を対象としているので、積極的に行動を起こしたい」と好反応。早速、社長Bさんほか経営幹部は、顧問税理士・公認会計士の指導・協力を得て「事業承継計画」を作成、計画作成過程で示された会長Aさんの意向(社長である長男Bさんに会長Aさん保有の自社株式を全て相続で承継する旨の計画)を明記し、これを都道府県に申請※し、受理されました(「事前確認制度」は、平成25年4月1日以降、任意制度になりました)。※平成29年4月1日以降、窓口は都道府県に変更されました。【明確になった方向性】経営承継円滑化法の活用検討は、効果として、「事業承継計画作成」に結びつき、その作成過程の中で社長BさんがA社の後継者であることが明確となりました。社長Bさんならびに経営幹部も安心され、また社内外にもアナウンス効果が図られたとのことです。会長社長創業者Aさん長男Bさん某地方製造業A社経営承継円滑化法の活用が、計画的な事業承継対策に係る取組みに繋がった事例

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