ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 88 - 「決められた基準とかスキル要求はないです。いろいろな人が、それぞれの基準で選考していますから。要するに、いろんな店を作りたいわけですから、いろいろな人材を採ろう、偏らないようにしようと言うことを意識していますね。 一番危険だと思っているのは、「ヴィレッジ・ヴァンガードとはなんぞや」ということを、勝手に言われると困るのですね。菊地が創業したころのヴィレッジ・ヴァンガードと、今のヴィレッジ・ヴァンガードは全然違う。地域によっても品揃えが全然違う。だから勝手に規定されると困る。」 この背景には、「チェーン・オペレーションの否定」という、同社の経営の基本的な考え方がある。つまり、本社が予測した消費者ニーズに基づいて、小売りのチェーン・オペレーションの効率化を図っていくのではなく、多少の無駄はあるとしても、各店舗がそれぞれに消費者ニーズを考え、さまざまなやり方を試していく中で、成功例が出現したり、リスク分散を図ってゆくと言う考え方だ。。 結果として、他のチェーン・オペレーション企業では年間売り上げが10~20%変動することも珍しくないのに対し、同社の総売上の変動幅は3~4%にとどまっているのだという。 成長の痛み 同社の菊地会長は、組織作り目指し、2000年にベンチャーキャピタルから転身の白川社長を迎え入れた。菊地会長がお一人で、30~40店舗の管理業務を行っていたその頃、白川社長はまず、事務所の床一面に散らかっていた請求書や契約書の整理からお仕事を始められたのだという。 上場を果たし、企業が成長し、若手の実力が伸びてくるにつれ、役員級が社員に降格するような例も見られるようになってきた。創業期に活躍した役員であっても、成長期において、スキルやマインドセット面で不適合を起こしうることは、多くのベンチャー企業で見られる現象だ。お話を伺うにつれ、ヴィレッジ・ヴァンガードでは、泣いて馬謖を斬る施策をしっかりとされているように見受けられた。 「(降格などの)基準がしっかりしているわけではないのですが、(適材適所になっていない場合、)どうしてもいろいろな問題が発生してしまうのです。問題が起きて、もうしょうがないなという感じになっていく・・・正直なことを言いますと、七転八倒して対応してきたのです。」 白川社長によれば、優しくて魅力的な社長であればあるほど、創業メンバーに手厚く報いたいという気持ちが強いのだが、とはいえ後から入ってくる社員は、より優秀であることには違いなく、そこで実力本位の人材登用が出来ないと、やはり企業の成長はとまってしまう・・・ベンチャーキャピタルでの勤務時代にも、そのような例を多数見てこられた

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