ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 87 - えば東京から沖縄に移る人もいるのですけれど、そうすると地域の最低賃金が違いますから、給料が下がったりします。」 通常、アルバイトを転勤させるというのは考えにくいことである。同社では、「アルバイトから社員へ」という、2段階に割り切れるステップがあると言うより、成果を上げ成長していくにつれ、両者の中間的な段階、「さなぎ」のような期間が存在するのではないかと感じた。それほど厳しい条件でも熱心に働き続けると言うことは、アルバイト店長のみなさんはそれだけヴィレッジ・ヴァンガードの熱心なファンだと言うことなのだろうか。 「それはよく言われますし、確かにそう言う面もあるのかもしれませんが、むしろ入社してから、私どもは「任せる」わけですね。人というのはやはり認めてもらって、権限があるということが、お金よりは大切なのではないかと思います。給料が高ければ人が来るのか、みんなが経済合理性だけを考えているのかというと、そうではなくて、別なものを求めているから、当社で働いていただけるのだと思っています。」 アルバイトで入社してくるのは、俗に言う「第二新卒」が多いのだという。つまり、多くの人は、社会人経験を有していて、それでも最低賃金に戻ってやり直していることになる。 「次にどこに行こうかな、となったときに、好きな格好も出来るし、おもしろいものがいっぱいあるなという感じでやってくるのだと思います。しかも、結構好きなようにやらせてもらえるという。」 平均4年間のアルバイトの時期には、そもそもどのような意味合いがあるのだろうか。 「どうしてもここで働きたい、という人を見極めているのです。当然、向こうにも辞める権利はある。こちらには採用する権利がある。お互いちゃんと向き合おうよと。4年かけて面接するようなイメージですね。やはりどうしても、就職となりますと、短い面接で人事担当者から良いことだけを聞かされて、それで会社を想像しながら入社してしまうと、お互いに不幸なことになりますから。」 現在のところ、正社員登用の候補者が120~130名程度存在するとのことで、「人手不足」感はなく、むしろの同じくらいの数の新店舗を作らないといけないというプレッシャーを感じておられるとのことだった。 正社員登用の鍵は「多様性」 では、ヴィレッジ・ヴァンガードがアルバイト人材を正社員に登用する際には、どのような点をクリアすべき評価基準においているのであろうか。

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