ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 86 - 逸話からも、最初はあくまで個人商店で、その後の全国展開など想定されておられなかったかがよくわかる(現在は名称の権利をきちんと処理なさっておられるとのことだ)。 出店にあたっては、本人のモチベーションを重要視し、自分で稼いでくださいという意味も込め、仕入れ、販売、その他店舗にまつわるほとんどの権限を店長に委譲するという形をとってきたのだという。 「菊地の最初のお店は、本人曰くですけど、スタイリッシュで格好いい店だったそうです・・・出店したお店を店長に任せるようになると、ぬいぐるみとか、ファンシーグッズ、キャラクターグッズなどを置く店が増えてきた。菊地にとってはあまり好みではない品揃えの店舗がどんどん出てきてしまった。そこがうまくいった理由なんですけれども。 何でも売っていいよ、何をしてもいいよ、ということは、「あなたの腕が上がれば、お客様も喜び、毎年売り上げも上がるはずだ」ということで、既存店舗の売り上げを重視した経営をするようになりました。店長たちは職人的に仕事をするものですから、それでどんどん楽しくやっていこうという感じですね。」 当初アルバイトで採用し、追って出店していく、そして正社員に登用していくというやり方は、このように自然な形で同社に根付いていき、今日に至るまで、企業文化として浸透してきたのだった。 最低賃金で店長を任されるアルバイト 「今でも最初はアルバイトとして採用します。だから求人広告や会社説明会はやっていない。店舗のPOP広告で、たとえば「日本語が出来て薄給に耐えられる人材募集」などと書いて張ってある程度です。 アルバイトで入った初期段階から、仕入れやディスプレイをやってもらいます。やがて数字が出てくると、この子が非常に優秀らしいと言うのをエリアマネージャが確認して、まずは「アルバイト店長」にします。「アルバイト店長」を経て、優秀な子から「社員店長」にしていくということになっています。今でも、全体の2~3割の店舗はアルバイトが店長をしています。」 アルバイトの条件は、「給料は地域最低賃金、交通費支給無し」というものだそうだ。アルバイトで入社してから社員になるまでの所要期間は平均4年程度。「アルバイト店長」としての経験も1年程度積む。 「20歳代の4年間を最低賃金でやっていくわけですから、大変ですよね。なかには10年くらい、バイトをしている人もいます。アルバイト店長には転勤もありまして、例

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