ベンチャー企業の人材確保に関する調査
87/132

- 84 - 後輩ベンチャーへのアドバイス、国への要望 最後に、若いベンチャー企業の人材確保に対するアドバイスを伺ったところ、 「最近の技術系企業では「ISV」(Independent Software Vender)という考え方がトレンドなのですよ。例えばグーグルを超えてやろうとか、mixiよりもメジャーなSNSをつくろうとか、そういう野心の強いベンチャーもあるにはありますが、いま技術系で主流なのは、もっと静かに丁寧に小さくつくっていくことに一番の価値を置くというベンチャー企業群で、それは本当にベンチャーなのか、ただの零細企業じゃないかという話もあるのですけど(笑)、技術的にもっともエッジな人たちがわりとそうやって、別に大儲けしたくてやっているわけではなくて、丁寧にものづくりをしていきたいからやっているという、そういう会社のあり方というのがいまひとつのトレンドなのです。 当社は、小さなISV系なので、成長を志向しているような若いベンチャーにアドバイスをするのは難しいかもしれないです。 でも、本当にイノベーティブなものが出てくるときって、日本の場合、「丁寧なものづくり」の成功パターンのほうが多い気もします。例えば、F1のホイールの90%以上は富山のある工場でつくっていたり、世界のシェア80%以上というオリンパスの内視鏡は全部ある工場でつくっているなど、職人的に、地味にやっていた人たちが、あるとき注目を浴びて成功する。才能の無駄遣いをしていたら、あるとき注目されたみたいのほうが、日本の成功パターンというような気がしますけどね。」 念のため、何か国への要望はありますか 「全くないですね(笑)もしかしたらもっとうまく活用したら、お金が入ってくるとかはあるのかもしれないですね(笑)。」 インタビュー後記 従来、採用と言えば、求人広告を打ったり、人材エージェントに依頼するなど、第三者に頼んでコストをかけて応募者とつながることが一般的であった。しかし同社ではソーシャルメディアを使って、すでに市場から人材の直接調達を行っていた。それも、まるで普段のご近所づきあいの延長のような、採用する側にとってもされる側にとっても、無理のない、自然な形で行われている様子がうかがえた。 「小さなISV」と言う考え方については感銘を受けた。このような考え方こそが、多様性のあるベンチャー企業群を生み出していくのに必要なことなのではないかと感じた。ソーシャル・リクルーティング云々に留まらない、ベンチャーにとって普遍性のある貴重なお話を伺うことが出来たと思う。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 87

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です