ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 75 - 員と面談した方が、お互いに本当のことを言いあうことができる。企業も学生も長所だけでなく短所や至らぬ点を確認しあっておくと、後の定着率もよくなる。」 RJPは、ネガティブなことばかりをマゾヒスティックに並べ立てることではない。たとえば「ゴールデンウィークにも現場は動いているので休みはとりにくい」など、その会社で働くことのプラスとマイナスを事実に即して伝えた方が、かえって仕事のポジティブ面の説明の信頼度も増すであろう。米国の研究では、RJPの採用で応募者の総数が減ることはあっても、その仕事に相応しい優秀な応募者が減るわけではない、という調査結果も得られているという28。 一般に大企業においては、「採用前に配属がきまっていない」「社風・文化といっても認識は十人十色」「ブランドや企業イメージを守りたい」などの理由で、ベンチャー企業に比べるとRJPに取り組みにくい。RJPは、採用時点だけでなく、入社後のリテンションも含めた、「人材確保」全般について適用できる基本的な考え方であり、ベンチャー企業だからこそ取り組みやすいものであるといえる。ただし、その具体的な方法論や効果の実証については、日本での先行研究は乏しい。今後さらなる実践と研究の蓄積が行われんことを期待したい。 3.4. まとめと、政策的インプリケーション 3.4.1. ベンチャー企業人材確保のSWOT分析 本調査研究冒頭で、「ベンチャー企業人材確保のSWOT分析」を行った。そこでは、SWOTのうちW(弱み)とT(脅威)の内容だけを挙げておいた。ここでは、これまでのヒアリング結果と結果分析を受けて、ベンチャー企業ならではの人材確保におけるS(強み)、O(機会)を加筆して、まとめとかえたい。 28 前掲、金井(1994)

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