ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 70 - 3.3.3. RJP導入設計の実例 RJP導入にあたり、留意すべき点は次の5つである27。 ① 求職者に十分な検討と自己決定を促すこと ② どのようなメディアを使うか ③ 求職者にどのような感情や動機を喚起させることを意図するか ④ 良い情報と悪い情報のバランスをどうするか ⑤ 採用プロセスのどの段階でRJPを使うのか なおここでいう「メディア」には、採用広告・広報にかかる一切の媒体を指す。すなわち、自社ウェッブサイト、求人広告ポータルサイトの自社ページ、会社パンフレット、ノベルティグッズ、職場訪問、会社説明会、各種プレゼンテーション、ワーク・サンプル(実際に仕事の一部をやってもらうこと)、インターンシップ、リクルーターや採用担当者自身。 学術研究から提案されている、RJPの構成要素は、意識的にか無意識的にか、今回インタビュー取材した企業でも、実際に実践されていることであった。数社を例に取り分析してみる。 図表 3-10 ヴィレッジ・ヴァンガードのRJP 求職者に十分な検討と自己決定を促すこと 入社希望者は全員アルバイトから正社員登用をめざす(平均4年間)。バイト期間中の給与は地域の最低水準賃金、交通費も無支給。 「どうしてもここで働きたい、という人を見極めているのです。当然、向こうにも辞める権利はある。こちらには採用する権利がある。お互いちゃんと向き合おうよと。4年かけて面接するようなイメージですね。やはりどうしても、就職となりますと、短い面接で人事担当者から良いことだけを聞かされて、それで会社を想像しながら入社してしまうと、お互いに不幸なことになりますから。」 どのようなメディアを使うか 店長、エリアマネージャ、ブロックマネージャ(ヒト中心) 求職者にどのような感情や動機を喚起させることを意図するか アルバイト店長になれる、仕入れなどに大きな裁量がある 「(ヴィレッジ・ヴァンガードのファンだからこそがんばれるのではないかと)よく言われますし、確かにそう言う面もあるのかもしれませんが、むしろ入社してから、私どもは「任せる」わけですね。人というのはやはり認めてもらって、権限があるということが、お金よりは大切なのではないかと思います。給料が高ければ人が来るのか、みんなが経済合理性だけを考えて 27 堀田 前掲論文、金井 前掲論文より筆者作成

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