ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 66 - わかるようにすべきだと、次のようにアドバイスしている。 「会社というのは「強み」だけで動いているのではない。「らしさ」で動いている。これは「弱み」の表れである場合が多い。 求職者にとって、ベンチャー企業の実態はわからないことが多い。だからなにより「安心感」が大切である。そこで問題なのは、「どんな仕事か」、「どんな会社か」ということよりも、「どんな人がいるか」である。候補者の家族など周りの人にとっても、やはり「どんな人がいるか」は関心事である だから社長、社員は顔を出すべきである。顔を出すというのは、写真を出すと言うことだけでなく、どんな人なのかがわかるような表現をとることが大切である。会社は公のものだから、個人的なことは言いたくない、という向きもあるだろうが、これは間違いである。ベンチャー企業の場合、公私混同はOKである。」 採用広告だけでなく、社長が顔を出しての普段からのPR活動が、採用ブランドのアップにつながりやすいのがベンチャー企業の特長のようである。 3.3. リアリスティック・ジョブ・プレビュー 3.3.1. 概説 一般的なリクルーティングの場面では、企業側も個人側も、多かれ少なかれ、いいところだけを見せるという傾向がある。企業としては、自社が「より魅力的に見えるように」見せることで、応募者を大多数引き寄せて、そこからいいところだけを選抜するという考えを持っているだろう。個人としても、企業に対し自らを売り込もうという意図が働き、良い情報だけを提供する傾向があることは否めないであろう。 そこには、両者の間の埋めがたい「情報の非対称性」が横たわる。双方がいいところだけをみせるとすると、当事者にとっては、相手方についての不十分な認識しか持ち得ないこととなり、ミスマッチやギャップが発生する。そもそも就職に際しては、入社してみないとわからないことが多い。あまりにも情報がわからなければ入社の決断ができない。あるいは、実際に仕事を始めるてから、驚く・戸惑うなどのリアリティショックを受けるものである。このことは、単なる情報不足の問題ということだけでなく、情報への姿勢の問題でもあり、企業規模にかかわらず顕在化しうる重要な問題である。応募者の側から見れば、一般的には大企業の方が、組織としての許容量や個人が取り得る選択肢が多いと考えられるため、入社後の予期せぬリスクに対応しやすいように考えられるであろう。他方、小さいベンチャー企業では、仕事内容も人間関係も、逃げ場がないように感じられるであろう。

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