ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 58 - ちなみに、40人の応募者から5人を採用するという倍率は、通常の選考過程を経た場合と変わりはないという。 そして小野CTOは、企業がソーシャルメディアを活用する意味合いについて、次のように語っている。 ソーシャルメディアは、大多数のものが無料ないし大変廉価に利用できるため、コスト面を勘案しても、より多くのベンチャー企業が採用広報活動に取り入れるべきであると思 われる。興味深いのは、その際に、「無敵な会社」を演出するのではなく、「弱さをちゃんとみせる」ことが、かえって信頼関係醸成に役に立つというのである。応募者から見れば、なんでも取りそろっている大企業ではない以上、弱みはあるはずなのであって、どのような弱みがあるのか、事前に了解した上で応募したり入社したいところではあるが、従来の採用広告メディアではなかなか入手できない情報であり、面接などの場でも聞き出しにくい面があった。ソーシャルメディアはこのような目的にかなった媒体である。さらにいえば、自らの「弱さ」をも売り込むことが出来るというのは、大企業にはなしえない、ベンチャーだけに許された採用広告手法ではないかと考えられる。 ちなみに、会社のネガティブ情報の開示は、相当スマートにやらないと、逆宣伝・逆効果になったり、荒れたコメントなどが積み重なって「炎上」してしまうのではないかといったことが危惧される。記述の際にはどんなことに留意しているのか、小野CTOに尋ねたところ、「隠さない、逃げない、相手にあわせて怒らない、最初だけ返信してあとは返信しないといったいくつかのルールはあるが、基本的には試行錯誤して失敗を重ねないと、インターネットコミュニケーションのリタラシーは身につかないだろうとのことだった。また同じ件について企業を支援しているF-Questの笠木社長は、「ダメなところもあるけれど、前向きにがんばっています」と言う書き方であれば、ポジティブな意味合いが伝わっていくようだと経験的に語っている。 BlogやTwitterなどのソーシャルメディアを使うということは、今までに見せてない情報を、強いところも弱いところも含めて出すということだと思います。 これまでのようにつよみばかり見せて、「無敵な会社」を演出するので は意味がありません。会社の規模の大小にかかわらず、弱さをちゃんと見せることができる会社かどうか。弱さをさらけ出したうえで、何が出てくる会社なのか。そこが、今求められていることではないかと思います。 そうやって情報をさらけ出すメリットは、一言で言うと「信頼関係の醸成」です。採用はもちろん、顧客や見込顧客と、知らないうちにいい信頼関係を構築できて、良い人材採用や、トラブルを未然に防ぐといったはかり知れない効果があると思うので、ぜひ、ソーシャルメディアをうまく使いこなすことをオススメします。

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