ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 3 - 第1.章 調査背景と課題認識 1.1. はじめに 2010年6月18日に閣議決定された「中小企業憲章」では、基本原則の一つに「起業を増やす」があり、そのための行動指針の一つに「人材の育成・確保」が定められた1。また、民主党の「重点政策50」には、「起業を支える国づくり」が定められ、総合的な起業支援策を通じ、「100万社起業」を達成することが政策目標にあげられている2。 このように起業が注目される背景には、ひとつには、ビジネスリスクをとって新規事業に挑戦するベンチャー企業の創出・成長が日本の産業構造上の閉塞感を打ち破り、イノベーションを促進し、日本経済全体の成長と活性化を図るものと期待されているからである3。 また、ベンチャー企業の雇用の受け皿としての役割も注目されている。中小企業は我が国従業者総数約4,013万人のうち、約2,784万人(69%)の雇用を支えて4いるが、ことに「事業規模拡大を志向している」企業をベンチャーであると見なすとすれば、図表 1-1の通り、創業以来一貫して、一般の中小企業に比べて、正社員採用を継続的に行っており、雇用創出効果が大きいことが確認できる。 ベンチャー支援については近年、産学官の各種取り組みが見られ、資金面や各種制度面での経営支援に関する環境は徐々に改善しつつある。「ヒト」についての施策についても、中小企業向けのものとして、すでに「DREAM-MATCH PROJECT」(経済産業省・日本商工会議所)、「人材橋渡し事業」(中小企業庁)、「中小企業魅力発信レポートWEB」(中小企業基盤整備機構・全国中小企業団体中央会)などが展開されはじめ、求人を行いたい中小企業にPRの場としてのポータルサイトが設けられたり、ジョブフェアが開催されるなどしている。しかしながら、ことベンチャー企業のニーズに絞った人材施策については未だ不足感が強い5。これらの背景を踏まえ、本調査研究では、ベンチャー企業が、その成長を支える人材をいかに確保するかという課題について検討することとする。 1 経済産業省(2010年6月18日)「中小企業憲章について」 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004655/kensho.html 12月1日確認) 2 民主党(2007年) 「重点施策50:経済・中小企業」 http://www.dpj.or.jp/special/jyuten50/03.html 12月1日確認) 3 経済産業省ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会(2008年)「ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会最終報告書」 4 中小企業庁 「中小企業・小規模企業者数」 http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_placement/index.htm 12 月10日確認) 5 総務省ICTベンチャーの人材確保のあり方に関する研究会(2007年)「ICTベンチャーの人材確保のあり方に関する研究会報告書」p1

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