ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 50 - 3.1.3. 「新卒採用」ということ 筆者が今回の調査研究を始める前には、ベンチャー企業といえばやはり即戦力の中途転職者を中心に採用しているものかと考えていたのだが、調査を進めるにつれ、成長期のベンチャー企業にあっては、新卒採用が意外なほどに重視されていることがわかった。 ワイキューブの中川副社長は、企業は成長するにつれ、「ヘッドハント・一本釣り」→「公募による中途採用」→「新卒採用」へと採用チャンネルの重点を移行していくという。現在新卒採用を行っているのは、中小企業200万社中2万社程度と見られるが、昨今では若 16 今城志保、福山亜紀子 「採用場面における構造化された情報収集の効果についての検討」、経営行動科学学会 第11回年次大会発表論文集 2008 17 この項、「採用プロセスを科学する」 リクルート・エージェント「HR MICS」Vol.5、Dec 2009- Mar 2010 を参照した。 構造化面接について 一般に、「面接者によって評価が大きく違ってしまう」「面接者の職種バイアスが抜けきらない」という問題に対しては、「構造化面接」という手法である程度解決策になることが知られている16。 「面接の構造化」とは、 1. 応募者を評価すべきポイントをハッキリさせる。 2. そのポイントをしっかり聞き出すために、標準的な質問フローを用意する 3. 質問に対しての回答を評価するための評価尺度を用意する の三段階からなっている。質問フローの作成には、BEI (Behavioral Event Interview) という手法が使われることが多い。BEIとは、「今までに行った業務の中で、もっとも成功した3つの業績について語ってください」など、あくまで印象的な過去の出来事に話の焦点をあわせ、その中で「何故そのように考えたのか(What)」「どのようにしてそれを実現したのか(How)」という質問を繰り返し、主に行動事実を聞き出すという手法のことである。 評価尺度については、たとえば「分析・企画力」を評価するに際して、 レベル1 言われたとおりやる レベル2 普通に考えれば出来る レベル3 熟練者なら誰でも出来る レベル4 熟練者が創造・革新する レベル5 過去とは異なる跳躍・飛躍 などと作成しておいて、BEIで聞き出した回答内容を、このような尺度に当てはめて評価するのである17。

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