ベンチャー企業の人材確保に関する調査
50/132

- 47 - 14総務省ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会(2007)『ICTベンチャーの人材確保のあり方に関する研究会報告書』 人材確保戦略の実例構 ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEOは次のような趣旨の発言をしている14。 ・どのように優秀な人材を集めるかは考え抜いた。日本の優秀な学生は大手企業に採用されており、ベンチャーに勝ち目はない。 ・当社で欲しい人材は、クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングの両方に優れている地頭のいい人材。とくにクリエイティブ・シンキングは資質による部分が大きいので、希少な存在であるが、当社のようなベンチャー企業にはなんとしても必要な要素だ。採用時にもこの点を重視しているので、ある意味、当社の採用条件は大企業より厳しくなっているかもしれない。 ・当社には、どちらかといえば発想が豊かすぎて、大企業では出世街道にのらないような人材が向いている。 ・面接では「あなたは小学校・中学校・高校の時、成績が良かったですか」と聞くようにしている。これは地頭の良さを確認するための質問なのだが、小学校から高校までずっと成績が良かったような人は、クリエイティブもロジカルも高いので、大企業に行ってしまう。当社にとっては、小中まで好成績ながら、高校で落ち込んでしまったような人がねらい目なのである。 この発言を筆者なりの解釈も加えつつ分解すると、ざっと次のような要素が考え抜かれていることがわかる。 ①人事給与ERPシステム導入に係るコンサルティングや設計を業とする同社にとって、必要な人材像は、「地頭の良い」人であると定義されている。【自社事業モデルにふさしい人材像の設定】 ②「地頭がよい」ということの具体的な中身は、「クリエイティブ・シンキング」と「ロジカル・シンキング」である。【人材像を構成する具体的なスキルの特定】 ③ここで、「クリエイティブ・シンキング」は資質による部分が多い能力であり、他方で「ロジカル・シンキング」はある程度教育によって育成することが出来る能力である。【育てられる点、育てられない点の見極め】 ④下図で象限Ⅰに属する学生は、大企業に流れてしまう。【人材獲得競争の見極め】 ⑤以上を踏まえると、「象限Ⅳの学生」こそが、同社にとって最適な採用対象であるということになる。【競争状況を踏まえた自社ポジショニングの最適化】

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 50

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です