ベンチャー企業の人材確保に関する調査
49/132

- 46 - あるというこということをまず前提に考えていかなければいけない。そこがずれていることが多い。」 次はケンコーコムの後藤社長のコメントである。 「・・・結局、青い鳥というか、本当に理想的な人が容易に採用できるわけでも全然ないので、理想的な人を採用できるまで待つというよりは、それぞれのビジネスの中で何が必要とされているかというところがしっかり合致している人がいれば、事業を一緒に大きくしていく仲間を先につくっていくというほうが僕は必要だと思いますね。価値観が合わないという場合には無理ですけれども。」 さらに、ワイキューブの中川副社長はインタビューに答えて次のようにコメントしていた。 「普通に優秀な学生は大手に行くものであるから、ベンチャー経営者としては、多少バランスに欠いていても、一芸に秀でた人であれば採用していこうというキャパシティを持って欲しい。全部の項目で平均的に7点を取れるような人をほしがる向きがあるが、仮に3点の項目があっても、一つ10点の項目があるような人のほうが個性的でおもしろい。」 このことをマクロな視点で捉え直すと、次のような推論も立ちうるのではないか。すなわち、就転職者の大企業指向・安定志向が高い現状、あるいは大企業がますます狭き門となり、他方でベンチャー企業では人材充足感が十分に得られていないという現状の背景に、「大企業であれば安心」あるいは「大企業にはいるような人材であれば安心」といった、社会的価値観の均一化があるのだとすれば、ベンチャー企業としては、むしろアンチテーゼ的に「自社にとっての光る人材」を、独自かつ多様な評価軸で確保することが重要になってくる。ベンチャー企業にとって、大企業流の価値観による人材獲得競争に巻き込まれなくてすむようになるからである。マクロな視点で見ても、これまでの評価軸では十分に力を発揮できなかったり、就職先を見いだすことが出来なかったような人が、「自分だけの最高の勤め先」に収まることが出来るようになり、労働市場における雇用の創出やミスマッチの解消に役立ちうるであろう。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 49

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です