ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 12 - チャー企業にとっては、しばしば採用は事業の成長に付随的に発生してくる業務にすぎないと見られており、じっくりとエネルギーを注ぎ込む余裕がない場合が多い。ベンチャー企業の社長や創業メンバーに、特に人事や採用等のノウハウや経験が豊富であるとも限らず、採用専任のスタッフを雇い入れる余裕もないことから、基本的な採用業務のルーチンの知識にすら事欠く場面も多い11。 しかも成長企業であることから、求められる人材像が刻々と変化してしまう。初期段階ではしばしばマルチタスクな人材が求められるであろうが、会社が成長するにつれ、スペシャリスト人材が必要になってくる、といった具合である。本来であれば、成長に応じて、その時々の人材像を確定した上で、内部戦力を教育・育成したり、適材な人材を適宜に雇い入れるべきところであるが、そのような組織的能力を構築する余裕がない場合が多い。 さらに、小規模組織であるがゆえに、採用にあたっては、文化的なフィットも非常に重視されるという面がある。採用の失敗は多大なコスト要因となるため、ビジョンや志の共有・チームとしての一体感が損なわれることのない人材を慎重に選び抜く必要がある。このような作業を数回の面接で成し遂げることは非常に難しい。さらに、社長が属人的に選考を行うことから、社長自身の専門外の人材についてはうまく評価ができなかったり、自分よりも優秀な人材を理解できない・採用しきれないと言った事態も考えられる。結果的に、人材不足感が強いにもかかわらず、きわめて慎重なスタンスで採用に望み、ポジションを空位のままにしてやせ我慢しているベンチャー企業も少なくない。 このようなベンチャーの人材確保上の課題をSWOT分析の形式でまとめてみると、さしあたっては次のようになる(図表 1-9)。 11 総務省 ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会(平成19年)、「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会報告書」平成19年2月

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