ベンチャー企業の人材確保に関する調査
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- 111 - とマイナスになる。だから会社に合わない人はなるべく採らない、無理して数を合わせにいくのではなくて、本当に必要な人だけを採るという方針がその頃に固まりました。」 理念を作ったとき、増永社長の想いのコアにあったものは、「メンバー第一、顧客第二主義」という考え方だったのだそうだ。 「うちは社員のことをメンバーと呼んでいます。要するに、だれと働くのか。何をやるのかではなく、だれとやるのかというのが私には重要で、じゃあ誰というのはどんな人なのか・・・それは、『LR HEART』に書いているような人とやりたいというのが根底にあります。」 まさに有言実行、ビジョンが経営改革をドライブして会社が変わっていく様子がうかがえる。 「理念は、私ひとりで全部考えて、私ひとりで決めました。だから他の役員の意見は全く聞いていないし、採り入れてもいません。結局、どういうことが重要かというと、理念をまわりに合わせていくのではなくて、理念に合わせてもらうと。私はこれを「この指とまれ方式」といっています。この指とまれで集まった同じ志と価値観をもっている人たちでやるのだと。ですから、それで合わない人は役員であっても辞めてもらうという、そういうかたちです。その後、新卒採用に絞ってからは、『LR HEART』に書かれていることに共感する人というよりも、『LR HEART』に書かれているように生きてきた人を採用するようにしています。」 理念は絵に描いた餅にあらず 『LR HEART』に書かれている理想は、それを実現するための仕組み・システムで支えられている。 「例えば、『LR HEART』に書いたこととして、給与の評価は3カ月に1回やることにしました。でも本当に3カ月に1回やるというのは大変で、それをどうにか運用できるようにシステム化しなければいけないということで編み出したのが、「Six Members Valuation 36」というシステムです。いろいろなシステム化がほぼ完了した2007年ぐらいには、当初目指していた「魅力的な会社」に多少は近づいてきたかなと思えました。 そういう基盤の整備をやりながら、新卒採用も見越して、やはりこうじゃないと学生さんは来ないよね、入社したいと思わないよねとか、あるいはシステムが必要だよね 36 Six Members Valuation とは、同社独自の業績評価の仕組みで、周囲の6人のメンバーが行う360度評価のことである。増永社長の著書「宇宙一愛される経営」によると、評価は売り上げなどの数字とは一切連動せず、「周りの人の役に立っているか」という観点からの主観を判断基準にしているとのことだ。「競争」ではなく「協創」を促すための仕組みだという。

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