トップページ > 経営支援・相談 > コラム「モノ・知・技」 > 過去の一覧(第1回〜第14回) > 第8回「タテとヨコ」

第8回「タテとヨコ」

平成21年9月の執筆者は、チーフアドバイザー(技術) 山本 茂之です。

「タテとヨコ」

 今日も、朝刊の折り込みチラシを資源回収のリサイクルに備えて整理です。チラシのほとんどは新聞を1回折りたたんだサイズとほぼ同じものが多い。

 これらだけなら良いのですが、この標準的なサイズから外れたチラシも必ずと言ってよいほど混ざっています。小さいもの、大きいものとありますが、この大きいものが厄介。ヒモで一束に束ねる時に、脇からはみ出してスッキリ綴じられません。A型人間なら一番嫌な状況です。小さいものは中に隠れてしまうので、気にならず。

 標準から、わざと外して、はみ出させるのは、多くの情報を載せることが出来るためというより、チラシそのものを目立つようにして、多くの人に見てもらおうという魂胆かな。確かに、小さいサイズでは他のチラシに隠れて、チラシの存在そのものに気付かないことが多い。このようなはみ出し用紙を使う広告主はいつも決まっているようです。

 一方、年が明けると確定申告の時期。この時も領収証のサイズが気になります。サイズがまちまちで貼付が実に厄介。チラシとは違って、必ず見てもらわないといけないものなので、特に小さい領収証の貼り付け方にはいつも悩まされるのでは。

 これらと違って、事務的な仕事で使う用紙は実に整然としています。用紙のサイズにはJIS、ISO規格があり、今は大抵はA系列。官公庁ではかつてはB系列が多かったのですが、今ではほとんどがA系列になっています。

 仕事の関係で多く使われているのはA4サイズですが、カバンで持ち運びしやすいこと、手に持って読みやすいこと、適度な情報量が記載出来ることなどから、このA4サイズが好まれているのでしょう。

 A3サイズを半分に折りたたんだものがA4サイズ、A4サイズを更に半分に折りたたんだものがA5サイズであることは言うまでもないことですが、実はこれら用紙のタテとヨコには重要な関係があります。

 大きなものを半分に折りたたんだ時、それがまた用紙の体をなすためには、折りたたむ前の用紙と折りたたんだものが「相似」な形になっていることが必要です。この相似である条件と面積が1/2になる条件から、中学レベルの数学を使って、「タテの長さa」と「ヨコの長さb」には、a:b = 21/2:1の関係がなければいけないことがわかります。例えば、A4サイズの「タテ」と「ヨコ」の長さの絶対値はそれぞれ297mmと210mmですが、確かに297÷210≒1.41≒ 21/2となっていることがわかります。

 先人はこの「タテ」と「ヨコ」の長さの比を白銀比と名付けました。2番目に美しい比という意味です。その値は1.41≒7:5。「タテ」と「ヨコ」を90度回転して、「ヨコ」と「タテ」にして、横長でイメージした方が実例では多いようですが。

 一番美しい比は黄金比ですが、その値はx2 = x + 1 の方程式の解である1.618≒8:5です。金銀と来れば、次は銅ですから、赤銅比の値はいくら、となりそうですが、残念ながら赤銅比はどこにも見当たりません。

 その他に、身の回りの例について、比(アスペクト比とも言います)の値の大きい順(大きいほど横長の長方形)で見てみましょう。

・1万円札は160×76mmで、160/76=2.11。

・千円札は150×76mmで、150/76=1.97。

・最近のワイドテレビは16:9で、16/9=1.78。

・名刺は91×55mmで、91/55=1.65。

・・・黄金比1.62・・・

・クレジットカードは85×54mmで、85/54=1.57。

・35mm写真フィルムの露光サイズは36×24mmで、36/24=1.50。

・・・白銀比1.41・・・

・これまでのテレビ(4:3テレビ)は、4/3=1.33。

・パソコンも245×186mm(一例)で、245/186=1.33。 

 上の例のワイドテレビ(16:9)と4:3テレビでは、表示画面が異なったアスペクト比を有するがために、同一のコンテンツをどちらのテレビでも違和感なく表示出来るレターボックスという工夫がなされています。

 皆さんは、どのアスペクト比を美しいと感じられるでしょうか?

 

                                  チーフアドバイザー(技術)山本茂之