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第4回「十干と十二支」

平成21年5月の執筆者は、チーフアドバイザー(技術)山本 茂之です。

「十干と十二支」

 今年は昨年の北京オリンピック、来年の南アフリカワールドカップ開催の狭間の年ですが、今はアフリカへの途を目指して岡田ジャパンが熱戦を繰り広げています。雌伏4年,この一瞬の機会に挑戦して燃焼し尽くすスポーツ人の姿は我々に大いなる感動を与えてくれるでしょう。この4年のスケールこそが、感動の源です。

 小豆島には「桃栗三年,柿八年,柚の大馬鹿十八年〜坪井栄」の碑が立っていますが,オリンピックやワールドカッップと比べて、果実の世界は最初の結実まで、ずいぶんと息の長い世界になります。

 一方,微生物の世界では酵母で約2時間の周期で出芽を繰り返し、2週間程度で世代交代が行われています。バクテリアでは20分程度で無限の分裂を繰り返します。我が人間世界では,長からず短からず,世代交代は平均70〜80年といったところでしょうか。自然界では異なる時間スケールを持つ多様な生き物で生態系が構成されていることをあらためて感じます。

 人の1kgの体重を減少させるのに必要な消費カロリーは7,000キロ・カロリーですが、1時間ジョギングして、たかだか300キロ・カロリーの消費に過ぎません。目の前の美味しそうなケーキやアイスクリームは、口にしただけで同じ300キロ・カロリーを取り入れてしまいます。食べたら美味しいという、即座に結果を感じることの出来る食欲の魔力に人は勝てないのです。ほぼ1ケ月かかって出てくるであろう1kgのダイエット効果を待てない人間の性の悲しさかな。

 ところで,国の研究開発プロジェクトの時間スケールを経済産業省のナノテク・材料分野の例で見てみたいと思います。平成13年にスタートしたナノテクノロジープログラムでは,7年〜4年の研究期間で推進されました。平成15年からは,研究開発の成果が迅速に事業化に結び付き,産業競争力強化に直結するような経済活性化のための研究開発「フォーカス21」がこのプログラムに盛り込まれましたが、期間は3年の短期型で予算が重点投入されました。

 一方、平成9年にスタートした,地域にとってかかわりの大きい地域新生コンソーシアム研究開発事業でも当初は3年の研究期間でしたが,地域イノベーション創出研究開発事業にリニューアルされた今では、2年以内の研究期間で推進されています。

 研究開発が「迅速化」を強く求められ、その手法が「自前から連携へ」とシフトしてきた足跡をはっきりと見て取れます。

 十干と十二支のスケールの違いは2年しかありませんが、60年経ってやっと生まれ年と同じ暦に戻ります。だからこそ、還暦おめでとうございます、となるのですね。

 

                            執筆:チーフアドバイザー(技術) 山本 茂之