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第85回「グローバル化とオープンイノベーション」

  • 2月の執筆者はチーフアドバイザー(知財)桑原良弘です。

    「グローバル化とオープンイノベーション」

    グローバル化が進む中で国内外を見据えた知的財産戦略の構築は、中小企業が生き残るために重要な課題となっている。以前は取引先の大企業が何とかしてくれていたかもしれない。しかし、海外調達が進む中で中小企業は独自の判断で海外の状況を踏まえて、経営判断を迫られ場面に応じて経営者も担当者も最適と考えられる選択が必要となっている。

    当方では現在までに中小・ベンチャー企業 知的財産戦略マニュアルや知財WEBセミナーもうけの花道など、中小企業向けの経営戦略と知的財産戦略、研究開発戦略について、経営判断に役立ててほしいと考え、参考となる資料を制作してきた。もちろん中小企業大学校でも中国経済産業局とともに啓蒙普及のためのセミナーも開催してきている。しかしながら、海外戦略までカバーする資料や研修はまだまだ少ない状況にある。

    そこで、工業所有権情報・研修館、発明推進協会とともにグローバル知財人材育成プログラム開発に取り組み、今年度から教材とカリキュラムの研修を開始することとした。海外展開を進める企業を取材し、その経営戦略・知財戦略をヒアリングしてストーリー仕立てした架空のトラブルケースをもとにディスカッションし、ケーススタディーを通して様々なリスク対応を図るものである。
    また実際の企業事例を掲載する事例集やいくつかの対処を読み取れるリーフレットも編集していくものであり、平成28年度末には取りまとめたプログラムとして発行する予定である。ティーチングノートも合わせて作成しており、地域の支援機関や経営アドバイザーなどが企業向け経営セミナーを行う際の教材として活用することを願っている。

    一方で、動画を使った知財WEBセミナーとして定評のあるもうけの花道でも、リスク対応ごとのカリキュラムの編集を進めた。これにより、閲覧者が例えば、展示会に出るときの抑えるべきポイントや必要な準備などを関連するいくつかの映像を体系立てて見られるようにしている。ぜひ商工会議所や知財総合支援窓口などのある支援機関などで、中小企業向けにカリキュラムの活用を図ってもらいたい。

    知的財産に関する支援ばかりでは何も生まれないこともまたしかりである。
    やはり具体的な商品開発を短期間に立ち上げ、自社商品として展開できることが望まれる。オープンイノベーション、技術移転による商品開発がそれを解決する。しかし、中小企業では新しい技術開発、商品開発は自社だけで始めようとすると、人材や情報、資機材などの不足からなかなか進められないのが現状といえる。そこで、優れたアイデア、特に特許になっている技術の実施権を得て活用することで、時間のかかる商品開発を一気に進めることができる。これがオープンイノベーションである。

    ちょうど2月23日(火曜)に中国地域では中国電力と広島信用金庫が協力し、地域の中小企業向けに特許を開放し、商品開発のマッチングを行う中国電力の知財(特許)を活用したオープン・イノベーションセミナーが計画されている。詳しくはhttp://www.hiroshin.co.jp/news/2016/160112.html(新規ウィンドウに表示)

    電力会社の特許は幅広く、土木技術から樹木伐採用の道具、ボルトのような機械要素部品、高所作業や危険作業のための道具、食品から家具、セキュリティ、ソフトウェアに至るまでいろいろとある。これを中小企業が商品化できる特許に選定して情報提供するそうである。地域基盤である電力技術を金融機関が取り持って、中小企業の商品開発を支援することの意義は大きい。
    金融機関は企業の状況に合わせて事業計画から販路開拓、さらには金融支援によりその企業の成長に資することができる。興味のある企業は広島信用金庫に問い合わせてみるとよいのでは。商品開発のきっかけとなれば幸いである。

    グローバル化とオープンイノベーション。世界的規模でのビジネスの広がりと他社との共同・連携による新事業新商品開発。それはすべて軸に知的財産権、知的資産の確保と活用が必要とされる。

    ビジネスは知財と共に。

    チーフアドバイザー(知財) 桑原 良弘

    ※このコラムは2016年2月3日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.113」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、</p></body></html>