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第76回「商標やロゴデザインを選定する視点」

  • 5月の執筆者はチーフアドバイザー(知財)桑原良弘です。

    「商標やロゴデザインを選定する視点」

    商標には指定商品・指定役務について分類が分かれており、商標は原則としてその分類にしか効力が及ばない。商標が登録されたといっても、指定した区分で登録となった商品以外はその商標の対象とはならない。この制度を知らない方が多い、と感じることが多々あった。

    一方、「これから自社では様々な企業と連携してグッズを販売することにした。飲料から菓子、おもちゃ、さらにそのネット販売事業まで、そのキャラクターはいくつかのデザインがある。社長からすべてブランドを抑えるよう指示があったのですが…。」という相談もある。このように聞いてくる社員は気が利いている。指定商品がいろいろとあるなら、一つ一つ権利化していては知的財産権への初期投資が膨らむばかり。熊本のくまさんのようなキャラクタービジネスをするなら別(くまさんの商標はあらゆる商品が指定され登録されている)だが、できればビジネス規模に合わせて、かつ、効果的にブランド構築したいものである。

    ここで、
    第18類のような商品を指定する分類は、商品自体のブランドとして機能する商標である。
    第35類のような役務を指定する分類は、商品を販売する店舗のブランドとして機能するもの。特に35類は小売業のブランドを構築するためにある区分だといえる。

    このように、商品の流通形態といったビジネスの形態を考えて商標を検討する視点も大切である。
    例えば、この商標をパッケージに付けた商品が東急ハンズで販売されるような場合は、商品そのものを選んでもらうために第18類といった指定商品区分に該当します。
    一方、この商品を販売するネット上の店舗名として使用する場合は、第35類に該当します。
    モノを他人の場所で販売するのか、自社の店舗で小売業として販売するのか考えるとよい。両方とも指定することが理想ではあるが、指定商品区分が増えるとそれだけ費用が掛かるので、まずは流通形態も考慮して一方から登録し、ビジネスの展開次第で、他方についても登録を検討すると、知財コストも段階的になるのでよいと考える。

    そして商標を決めるにあたり、図形(マーク)とするか称呼(読み方)とするかについても一考が必要である。ロゴ決定の視点について、これから浸透させようとするブランドならば、そのロゴデザインも読めるロゴであることが必要だと考える。

    次にロゴデザインを選ぶにあたってどうするとよいか、という相談もある。
    こうした場合、どのような視点で評価をしたらよいか考えてみた。

    1)ロゴに魅力を感じるか(使用して感じる魅力はあるか)
    2)普遍的な美しさ、おしゃれ感、品を感じるか
    3)商品の使用目的、使用実態や機能を感じるロゴになっているか
    4)知的好奇心をそそるようなロゴになっているか
    5)デザイナーの意欲が感じられるか
    6)ユニークであるか
    7)今まで見たことのなかったインパクトを感じるか
    8)強い主張が感じられるか
    9)主張しすぎていないか
    10)さりげない主張を感じるか
    11)瞬時に納得させられるか
    12)自社商品が明快に理解できるか
    13)自社事業のあり方が表されているか
    14)既存商品の問題点を解決しているイメージがロゴから想像できるか
    15)情報提供力(認識力)に優れているか
    16)ロゴをつける空間(ホームページ、パッケージ、商品、名刺、ステッカー)にあうか

    どんなロゴが自社の商標として適切かを考える視点として参考になれば幸甚である。

    自社の製品と理念をワンポイントで伝える。それが商標でありロゴである。

    技術だけではない、どんな商品をどんなふうに売るか。ビジネスの展開方法により知的財産マネジメントは変わる。

    ビジネスは知財と共に。

    チーフアドバイザー(知財) 桑原 良弘

    ※このコラムは2015年5月13日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.104」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。