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第67回「会社の商標」

  • 8月の執筆者は、チーフアドバイザー(知財)桑原良弘です。

    「会社の商標」

    会社名。それは会社の名前であり、時にはロゴやマークとして会社の顔となり、“お客様に選んで頂くときの識別指標”となります。しかしながら、商品名は商標登録したが、社名(商標権申請上は自社の業務・役務が対象となります)は登録していない…。このような状況でもし競合企業が同じ社名で出てきたらどうするか。現在の厳しい情勢においては企業の存続する危うくすることもあるかも。

     

    今回は中小企業支援のなかで起きている課題とその取り組みをご紹介し、読者の参考にしてほしいと思うところです。

     

    先日、緊急の相談です。ということで対応したときの話です。数年前からいろいろと工夫して小規模企業ながら徐々に商品も人気が出てきて広がりが出てきたとのこと。もちろん商品の商標出願をし活用を図ってきていました。さまざまな市場情報が入る中で、遠く離れた地域で商品コンセプトから社名まで同じ商品がインターネットから出ておりどうするとよいか、という相談でした。インターネットでモノを売る昨今。検索で上位に上がることが商品の信頼と実績につながるともいえる世の中です。同じ社名、似たような商品。しかも相手の価格が自社より低価格で販売していたら。そして検索で同じような順位に出てきたら。良い商品を作っていれば買って頂けるのはとうの昔、今は売るための工夫をすることが重要であるだけでなく、それに対抗する手段を準備しておかなくてはなりません。小規模事業者、中小企業・ベンチャーにとってそれは大事なことです。また、最近インタネットプロバイダにドメインの登録をしたのですが、その時にもプロバイダから、“登録するドメインは商標権を登録しているか?”という設問と注意が表示されました。以前よりずっと権利に対して注視されてきています。ドメインも社名も同じなのです。このような相談はいくつかあるのですが、私はこれからもっと顕著になると感じています。

     

    商標法第一条 この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。とあります。

     

    このように商標権は、その商品やサービス名を権利化し、ブランドを固有のものとして識別できるようにすることで、ビジネスの信用の維持を図ることが目的です。しかもお客様が欲しい企業のものを確実に選べるようにして、お客様の利益まで守るものです。

     

    競合企業が粗悪品でクレームを出した時はもっと大変。実際にある話ですが、自社とは関係がないのに、そのクレームが自社に来るという。さらに評判が落ちて自社の売上にまで影響した。こうなってしまうとその処理に時間と費用をムダに費やすことになります。

     

    このような事態に断固として戦うためには知的財産権の行使は当然必要なものであり、反面、知らなかったでは済まない。知的財産権は重要なビジネスの道具であり武器にも凶器にもなるのです。

     

    もちろん、相談に見えた企業はその足で商標登録の申請に動きました。私からは更に、いつも良い商品を売り続け、いつも一番であるように新商品開発を計画的に進めよう、相手に負けない良い商品でお客様にちゃんと選んでもらうことが将来の成功につながることを付け加えました。社名の商標権にご注意を。

     

    ビジネスは知財と共に。

     

    チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘

     

    ※このコラムは2014年8月6日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.095」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。