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第62回「開発プロセスを楽しむ」

  • 3月の執筆者は、チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘です。

    「開発プロセスを楽しむ」

    某大手企業グループで行われている、業務改善に優れた実績や効果のある技術や製品について、開発した発明者を称える事業に参画させて頂く中で、発表者が行ったプレゼンに感動しました。

     

    作業用の道具の開発です。

     

    作業業務には危険を伴う作業は伴うことがありますが、その製品は作業者を守り作業性を高め、より作業者が快適に仕事ができるよう多くの検討と工夫がなされ、その開発では、開発者チームが中小企業と連携して開発し知財化、製品化した製品でした。

     

    プレゼンは発表資料から見ても、相当の実地調査を重ねており、アンケートや調査結果が実質的で大変詳しい。苦労してきたことがわかります。市場モニタリング結果をグラフで見える化してわかりやすくしているだけでなく、その内容を実に楽しく話を進めるのです。困難にぶつかってもあきらめることなく丹念に現場に出て実証し、その思いをメーカーに相談してやり取りし、ついには現場に即した製品を作り上げ喜ばれた、という話で締めくくられます。ほとんどは技術者が難しい話を難しく話す中で、この開発チームはボケツッコミの漫才のように、しかし話はもちろん真面目に(聴講メンバーには偉い方もおりますので…)進んでいきます。面白いのは、従来品→試作品→試作品→もう少し→製品と開発ストーリを紹介しながら、いかに課題をクリアしていったか、簡単かつ実物を交えて話が進行します。開発チームは開発プロセスを楽しん進めているのです。困難もちょっとした意識の違いでこうも変わるものかと思いました。私も製品を試着させて頂きましたが、なるほど従来はゴワゴワしているのに開発品のフィット感は全く別物。これなら作業性は高い。更にさまざまな業界に応用できるであろうとすぐ想像できるものでした。

     

    そして最後に、この製品は特許登録され権利化しているが、地域関連企業のために開放し、製品が普及することによる作業の安全性を優先したい。そして、地域企業の製品開発に貢献できるようにしたい。現在のところ知財部門にも理解いただき、もっと全国に広がってコストが下がるまでロイヤリティーは取らず進める。とのまとめでした。

     

    地元大手企業として、地域貢献や業界への貢献を進めたいという経営上層部の方の思いも一致し、開発製品だけでなくその事業方針まで認められました。

     

    経営層ははやくロイヤリティーをもらうように普及を目指そう、とは言っておられましたが(笑)

     

    開発は本来楽しいものです。現場と協力企業が歩み寄り、ともに製品を作ることでもっともっとお客様に喜んでもらえる製品が早く作れることでしょう。そして、その技術・製品・仲間を守り増やすためにも知的財産権は有効に働くものです。

     

    ビジネスは知財と共に。

    以上

     

    チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘

     

    ※このコラムは2014年3月5日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.090」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。