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第58回「バリューエンジニアリング(VE)」

  • 11月の執筆者は、 チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘です。

    「バリューエンジニアリング(VE)

    先日機会を頂いて日本バリュー・エンジニアリング協会が主催するアジア大会を聴講してきた。日本各地だけでなく海外からも多くの発表があり、製品開発から改善まで大変参考となる大会であった。

     

    VEとは製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」そのためにかける「コスト」との関係を把握し、システム化された手順によって「価値」の向上を図る手法である。 

     

    VALUE(価値)=FUNCTION(機能)/COST(コスト)で表され、コスト低減だけでなく、顧客満足度の高い、価値ある新製品の開発、既存製品の改造、業務の改善、更に小集団活動にも導入され、企業体質の強化と収益力の増強に役立っている。(日本バリュー・エンジニアリング協会ホームページより)

     

    平たく言えばその製品やサービスは「誰のために」「何のために」あるのか。満足する機能を妥当なコストで価値を創造・改善していく手法といえる。

     

    以前の小生の寄稿の中で品質機能展開(Quality Function Development: QFD)ツールを活用し、顧客ニーズと必要な機能・品質に沿った製品開発について紹介した。QFDの活用はVE協会の講演にも発表があり、顧客ニーズを整理し品質と機能のバランスを整理していくためには効果のある手法であるとされている。顧客ニーズの検討にはその事物が使用・利用されるシーンを想像し、そこで必要とされる機能と品質を検討しその傾向を把握し開発する製品仕様に反映していく。

     

    このような手法を用いると、開発する事物がどのくらい役に立つのか、機能的かという点については深く検討することができる。しかしながら、昨今はCADからプリンターまで3次元でのモノづくりが進み、おぉ、と思うデザインやアイデアが形となってみることができるようになった。さらにクラウドファンディングなどの資金獲得により個性的なものづくりやサービス提供が進めやすく、多様な価値を提供できるようになった。

     

    このような中でモノやコト(サービス)の価値とはどのように高めていくか。欲しい!と思ってもらえるには、どれ位感動させられるか。感動によって価値は変わる。

     

    VEの考え方では、対象を目的と機能に分解し、目的を他の手段で実現できないかを考える。機能に対してさまざまなアイデアをめぐらし、最適な手段を考えていく。従来製品を感動の視点で転換することで、また新しい製品が開発できることも考えられる。開発された機能に対して、人を感動させられることができないか考えると、新たな商品が開発されることがあると考えられる。

     

    その実践には社内にある知的財産をまず見直し、感動を呼ぶ新しい価値について「誰のために」「何のために」考えるところからはじまる。VEがVictory Engineeringとなれば楽しい。

    ビジネスは知財と共に。

    以上

    チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘

     

    ※このコラムは2013年11月5日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.086」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。