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第57回「特別警報について」

  • 10月の執筆者は、 チーフアドバイザー(モノづくり)大村 卓一です。

    「特別警報について」

    2013年8月8日午後5時少し前、防災無線を通じて、「奈良県地方を震源とする大きな地震が発生する可能性があります。直ちに身の安全を確保する行動を起こしてください。」という放送が団地内の緊急放送用スピーカーから流れてきた。ムンクの『叫び』を髣髴とさせるような不気味な声だった。

    え!!! 本当なの あの巨大地震が発生した!

    特別警報のことは知っていた。地震の特別警報の基準は震度6以上だったはずなのに、400キロメートルも離れた廿日市市で警報が発令されている。これは大変なことになる、と直感しあれこれ行動を考えたのだが、結局TVのスイッチをONにするだけだった。数分後にその情報は訂正された。  「ほっ!」。

     

    2013年8月30日からその特別警報の運用が始まっている。重大な災害が起こる恐れが著しく大きい場合に気象庁が警告のために発表する予報である。その1号は、台風18号が日本を通過した9月16日、京都府、福井県、滋賀県に発令された。渡月橋を襲っている凄まじい濁流のTV映像画面に文字情報として映し出されていた。重大なという基準は「数十年に1度」というレベルだそうで、このタイミングでこの映像を見たとき、「直ちに身を守る行動」を取るべきレベルの出来事とはこんなことを指すのだ。説得力がある報道であった。特別警報が設けられた理由は2011年の台風12号や東日本大震災において十分な非難が行われず、その対策として警告や避難勧告などの伝達の改善が求められていたことによるという。私も長い人生でかすめられたことは2、3度あったが直撃されたことはなかった。そのような想定外を事前に知らせてくれるのは大歓迎である。

     

    しかし、「対応できるのか?」と自問してみた。

    「数十年に1度」という基準はめったに起きないと考えがちであるが、全国レベルでは1種類につき年に数度は日本のどこかを襲う確率である。直撃は少ないはずであるがかすめられる回数となると結構頻繁に遭遇する可能性があるのだ。対応力を養っておく必要がある。

     

    そこで、この1月の間に安全な場所を探すことと家族一人一人の非常持ち出し袋の準備を始めている。必要品は大きなリュックサックに入りきらない量になっている。これを10リットルくらいのナップザックに収まる程度に集約してゆく過程で、家族一人一人が生き延びるためのスキルを向上させてゆこうとしている。その間に重大なことが起こらないことを祈っている。また一方で、私たちの身の回りの山、川、インフラが、これまでの「数年に1度」に耐えられるような耐力を早期に付けることも期待する。そうなることによってあのムンクの叫びを聞かなくて済むはず。そんな状況が来ることを念じている。

     

    ものづくり支援チーフアドバイザー  大村 卓一

     

    ※このコラムは2013年10月1日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.085」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。