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第54回「予測される災難への対応」

  • 7月の執筆者は、 チーフアドバイザー(モノづくり)大村 卓一です。

    「予測される災難への対応」

    この記事が掲載される約3週間前に私の周辺であった出来事を紹介します。

    台風の接近によってそれまで休眠中だった梅雨前線が刺激され大雨警報が私の住んでいる地域に発令された。前日もそうだったので、今日も市内の小中学校は休校になるのだろう、と思いながら外に出てみるとお母さん方が見守る中で子供たちが班を作って登校していった。

    「今日、学校はあるの?」

    「昨日警報が出たけれど大したことはなかったし、今日はもっと大丈夫そうなので(学校は)あるそうです」

    「警報はこの地域に出ているのに変だなー、警報にもグレードがあるのかなー?」

    昨年から地域の防災ボランティアの仲間入りをしているので、地域の危険個所を点検する絶好の機会だし、場合によっては仲間と下見に出かけようかなどと思いめぐらしていたところだったので複雑な気持ちだった。その日は確かに学校の判断が正しく、終日大雨は降らなかった。

     

    同じ日、レンタル農園で。

    4月中旬に20区画のレンタル農園で同じ品種のトウモロコシの苗を同時に植えた。これまで良い天気に恵まれるとともに肥料や消毒作業もこなして順調に生育し、漸く、絹糸も茶色く変色してきた。1週間もすると収穫できるはず、孫たちの喜ぶ顔が目に浮かぶ。我が家を含め2-3区画を除いて既に防鳥ネットが張られカラス対策が完了していた。昨年はやられたので今年は早めの対策をしようと考えていたのだが、この時期になってしまっていた。警報は出ているけれど、子供を見送ってすぐ畑に向い、汗を拭き拭きネットを張った。

    夕方、畑に行くと「トウモロコシがやられた」と言って、ネットを張っていなかった畑の主が周囲の人たちに告げている姿があった。

    間一髪間に合ったのだ。

     

    その1週間くらい前、暑くなりそうな一日、団地のゴルフコンペがあった。

    スコアの集計係をしていると、Aさんのスコアが午前中のラウンド分しか記載されていない。体調不良を感じ、奥さんを呼んでハーフで帰宅されたとのことだった。ゴルフを終え団地に戻って成績発表を兼ねた懇親会に顔を出すと、Aさんは席に座っておられた。

    「Aさん、大丈夫ですか? 」

    「心配かけましたが、どうやら熱中症の手前で収まりました」

    「よい決断をされましたね」

    100年に1度の難とは言わないがいずれも巧く難を逃れた成功事例としておこう。

     

    災難に遭遇する確率と対策を打たなかった場合の損失の大きさを正しく評価できていれば行動は決めやすい。必ず襲ってくると分かっていてその被害が命に係わるような災難であれば対処しない人はいないはず。2つとも正確に把握できないから厄介なのだ。初めと終わりの事例は本当に正しい判断だったのか他人には判断できない。ご本人も今でもベストな行動であったのだろうかと迷っておられるのではないか。その時の状況を細大漏らさず記録しておくと後学のためになるのだろう。

    2つ目の事例はカラスを想定するなら評価はしやすい。冷静に考えると想定される実害は多くても5本まで。食べきれずに廃棄される数を見込むと???ネットを張る作業は炎天下で2時間位であり、その間の熱中症の確率を考えると来年の防鳥ネットはしないのが賢明ということになる。

     

    ものづくり支援チーフアドバイザー 大村 卓一

     

    ※このコラムは2013年7月3日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.082」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。