トップページ > 経営支援・相談 > コラム「モノ・知・技」 > 第28回「産業財産権のすすめ」

第28回「産業財産権のすすめ」

5月の執筆者は、チーフアドバイザー(知財)桑原 良弘です。

「産業財産権のすすめ」

産業財産権とは? 知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを指し、新しい技術、新しいデザイン、商品名やサービス名などについて独占権を与え、模倣を抑制し、創造の保護と奨励を、取引上の信用を維持することによって、産業の発展を図るための権利です。これらの権利は、特許庁に出願し登録されることによって、一定期間、独占的に実施(使用)できる権利となります。

 

 さまざまな相談においでになられる方は、どの権利を取ればビジネスに生かせるのか、なんかお金もかかるし手続きも大変そう…、だいたい役に立つのかわからない。そんな心配をされる方や、とにかく発明をしたから特許じゃ〜、といって出願を希望する人。「権利を侵害しています」と警告文が送られてきてその対応は? 「勝手にアイデアを盗まれた」といって怒り心頭に発する人。私はいろいろな状況に合わせて産業財産権アドバイスは順序立ててご説明をしています。お金のかかることですからできるだけ有効に最大限に権利を活用し役立ててほしいと願っています。

 

 中小企業にとって自社商品開発は財産を形成し売り上げを立てていく重要な投資であり事業の源泉となるものです。作り上げたものを守り、広げていくには何が必要でしょうか。その一つとしてお薦めするのが産業財産権なのです。

 

 事業はまず 1.ビジネスモデル。どのような仕組みで何を提供し、利益を頂き市場や社会にどう貢献していくか。この仕組みの中で自社がどう立ち振る舞うかを決めていくことになります。このとき、まずは自社のビジネスを識別し認識してもらわなくてはなりません。ここで必要なのが 2.「商標権」です。まずは名前を付けてあげましょう。名前を付けるのは商品やサービスを顧客にどう気づいてもらうか、どう選んでもらうかを左右するので、名前が決まれば仕組みと提供するものが見えてくるのです。ブランドを示すマークも登録できます。

 

 次に考えるが名前の通りに事業を育てなくてはなりません。以前のコラムにあるようにサービス業でも特許や実用新案はビジネス上で強力な武器になるのです。自社の事業をいかに早く育て強くしていくか。ここで特許はなにも自らが発明しなくても良い場合もあります。そう、大学や研究機関、他社から実施権を得ても良いのです。3.特許・実用新案を検討します。

 

 そこで必要なのが 4.調査です。特許庁は特許電子図書館をずいぶん充実させてきました。使い勝手も良くなっています。そして支援機関や発明協会にその使い方を丁寧に教えてくれる人材もいます。わからなくなったら聞けばよい。さあ、まず商標調査をしてみましょう。同じ名前がなければ出願を検討してみるとよいです。その次に特許・実用新案を調査してみましょう。発明したアイデアが新規なものか、あるいはすでに他社が先行しているのか。ここで開発方針を深めていきます。調査により技術的な動向もおおよそ把握できます。

 

 開発方針が立ったならば 5.試作やモニター でテストをしてみましょう。ここで新たな発想や改善点が浮かんだならば、書き溜めておいて次の商品やサービスへプラスしていきましょう。製品化・事業化が整う頃には製品の形状デザインも決まりつつあるでしょう。デザインの保護が必要であれば 6.意匠権の出願を考えます。

 

 権利にかかる検討を進めておくと、他社の動向、他社との連携、侵害・トラブル時の対処、社内の情報共有、PRといろいろなメリットがあるのです。ビジネスは知財と共に。

 

知的財産をわかりやすく学べるホームページ「もうけの花道」をご参照ください。
http://www.mouke.tv/(新規ウィンドウに表示)

 

チーフアドバイザー(知財) 桑原 良弘
  

 

 

※このコラムは2011年5月11日に配信されたメルマガ「広島校だより Vol.055」に掲載されたコラムです。メルマガ「広島校だより」を配信希望の方は、広島校だよりからお申込みください。