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第20回「フリーマーケット とスーパーボウル」

9月の執筆者は、チーフアドバイザー(技術) 山本 茂之です。

「フリーマーケットとスーパーボウル」

「開運なんでも鑑定団」は1994年4月19日の初回放送以来、かれこれ16年も続くテレビ東京系列の長寿人気番組です。骨董趣味のある人はもちろん、そうでない人が見ても勉強になる、実に面白い番組です。
 中でも、「出張なんでも鑑定団」のコーナーは見どころです。スタジオでの鑑定ではなく、全国各地域での出張鑑定の様子が公開収録されたものです。依頼者が入れ替わり立ち替わり出演して、結果として、まがいものや、掘り出し物と鑑定されるのですが、その鑑定結果に一喜一憂する姿は、まさに人間味にあふれたものです。
 鑑定対象品の出所は、先祖が残したもの、曾祖父や祖父が残したもの、記念のお祝いとして贈られたもの、骨董屋から掘り出し物と言われて購入したもの、借金と交換に知人から手に入れたもの、フリーマーケットで安く手に入れたもの、等さまざまです。
 フリーマーケットは最近では駐車場や大規模公園等の一角で行われる若者や家族向けのものが多くなっているようです。小規模の身近なものでは、スーパー銭湯でも見かけるようになりました。しかし、「Free Market」なる看板を見た途端、興ざめです。これは明らかに誤用。「フリーマーケット」の本来の意味を取り違えています。誰でも自由に参加できるから、展示品が自由だから、「フリーマーケット」と思うのは、早合点の勘違いです。
 「フリーマーケット」は本来、「Flea Market」のこと。以前には、しばしば耳にした、「蚤の市」のことです。一番有名なのはパリの「蚤の市」。大橋巨泉氏が「開運なんでも鑑定団」で何度か出品したものの中にも、ここで手に入れたものがありました。この他、「ガラクタ市」、「ボロ市」等のイベント名で行われているところもあります。英語のネイティブには「l」と「r」の違いははっきり分かりますが、それが出来ない普通の日本人にはこのような勘違いの悲劇が起こってしまいます。これに該当する方は、今後「フリーマーケット」と言わず、「蚤の市」を使われてはどうでしょう。
 スーパーボウルはアメリカンフットボールのNFC(ナショナル・フットボール・コンファレンス)優勝チームとAFC(アメリカン・フットボール・コンファレンス)優勝チームの間で争われるNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)優勝を決める最高の大会です。
 スーパーボウルの日本版はライスボウルです。また、米国のカレッジフットボールのシーズン終了後の選抜試合にはローズボウル、シュガーボウル、オレンジボウル、コットンボウルの四大ボウルゲームがありますが、これは開催地の特産品の名を冠したもので、日本版では日本の主食である米を冠して大会名が付けられたものです。
 スーパーボールはゴム製の弾力に富んだ子供用のカラフルな球状(希にラグビーボール状のものもある)の玩具で、縁日の屋台での「金魚すくい」ならぬ「スーパーボールすくい」は、よく見かける光景です。
 賢明なる読者の皆さんは、もうお気づきですね。「スーパーボウル」はスポーツの世界に関係しているので、日本人のほとんどは余り深く考えず、タマ(球)を連想しているのではないでしょうか。まさに、勘違いの悲劇、その二です。
 ボウルは「Bowl」であって、「Ball」ではありません。主婦の方が毎日台所で使っているであろう、あのボウル(深いはち、どんぶり、わん)です。辞書には円形競技場とも、記載されています。
 ボウリングは、まさに「中山律子さん」のボウリング(Bowling)。ボーリングは、地中に深く細い穴を掘ったり、ボール盤で材料に孔をあけるボーリング(Boring)。ネイティブでなくても、この場合の二つの発音の違いは十分に聞き分けられるのでは。
 それならば、「段ボール」のボールは何。このボールはボール紙、つまり元々は藁パルプで作っていた板紙を表すBoard(板、ボード、ボールド)に由来しています。
 今まで、勘違いしたまま、何十年も支障なく生きて来たわけです。これからも勘違いのままで、何も問題は起きませんね。 

 

 

 チーフアドバイザー(技術)山本茂之